2007年5月1日

日本初?!ポルテ 助手席乗車カスタマイズ!

今日は2014年6月12日・・・ って、なんのこっちゃ?!と思われるでしょうが、このブログの記事(2007年5月1日の投稿)を書いている日なんです(笑)

イフのブログは、自称 “バック・トゥ・ザ・フューチャー” といって、平気で過去の日付で新しい投稿をじゃんじゃんアップしておりますので、皆さまご注意下さいませ(笑)

と、余計な前置きは抜きとして、この ↓ トヨタ・ポルテの写真ですが、何か変だと思いませんか?

そうなんです!助手席がごそっと無いんです! ヮ(゚д゚)ォ!


話はここからさかのぼること、一年ほど前・・・

栃木県のとある訪問診療医の先生から1通の問い合わせメールが深夜に届きました。

そこには 『常時介護が必要なお子さんを、車いすのままクルマの助手席に乗せて、お母さんと一緒に気軽に外出ができるような改造は可能でしょうか?』 という趣旨の相談が、それまでの経緯ととも簡潔丁寧に書かれていました。

そのメールの端々からは、そのドクターの熱い想いが垣間見られ、共感させていただいた私は 「実際に施工した事例はありませんが、このお話が実現可能なものか?私達の勉強の意味も込めて模索させて下さい!」 と拙い文章で返信をした記憶があります。

それから数ヶ月・・・

いろいろな調査や確認をし、法的には問題がないことが確認出来つつも、安全上の補償はどう考えたよいのか? 万が一の時はどうするのか? 等々といった、いろいろな課題や葛藤を率直にお伝えし、皆で打ち合わせを重ねながら、一つずつ慎重に、皆が納得をしながら具現化に向けて確実に歩んでいきました。。。


そしてついに!ピカピカの新車「ポルテ」がイフの工場に入庫したのです!


ここに至るまでの間、車種選びもいろいろ悩みました、、、

当初の目的である “車いすのまま助手席に乗車可能なスペースを有すること” というのは大前提でしたが、とてもセンスの良いお客さまが “毎日愛着をもって楽しみながら乗られるクルマ!” ということも大切なこととして考慮し、国産車、外車、車格やサイズなどを問わず、いろいろなクルマをお客さまと一緒に模索した楽しい思い出があります。

結果、当時マイナーチェンジをして間もない、大きなスライドドアの助手席が特徴の「トヨタ・ポルテ」に決定したのです♪

このポルテは、フロア高(地面から車内の床までの高さ)が30cmという超低床ということも優位性の一つでした。

助手席シートが大きく前後にスライドしたり、助手席の背もたれがパタンと前に倒すことが出来るというのも、いろいろな使い勝手が想定出来るので、トヨタのコンセプト通り、とてもユニバーサルなクルマだと思っています。

そんな便利な助手席も・・・今回は躊躇せずに取り外してしまいます(笑)

座席だけ外した状態では、シートを前後スライドさせるための余計な部品が残っていますので、床に埋め込まれているレールを一旦丸ごと取り外し、バラバラに分解します。

スライドレールを取り外した状態の床にはポッカリ大きな穴が・・・

せっかくですので、フロアカーペットもめくってみましょう(笑)


~ここから先は、具体的な施工内容(企業秘密)を赤裸々に公開します!~


まずは鉄の無垢材を削りだし、ドリルで穴をあけるべし!

削りだしている部品には、このように ↓ 車いす固定用のベルトや車いす用のシートベルトを留めるための “アンカー” を装着するというイメージです。

削りだし+穴あけが完了した部品です。

この部品が、先ほどバラバラにしたスライドレールに仕込まれるのです!

一方こちらでは、旋盤を使ってボス(スペーサー)をじゃんじゃん削り出しています。

スライドレールには溝がありますが、そこに物が落ちてしまわないようにステンレスのフラットバーと先ほど旋盤で削りだしたボスを組み合わせて ”蓋” をしました♪

この“蓋” を装着することで、車内で車いすのキャスター車輪が溝にハマることなくスムーズに方向転換などが出来るように配慮したものなんです♪


お次は、先ほどの部品に抜け留め用の鋼材をガッツリ溶接します!

溶接が終わった後の仕上げは、錆を防止するためウレタン焼付塗装!

そうそう!塗装が乾燥するまでに間に、助手席のシートベルト警告灯が点灯しっぱなしにならないように配線の改造を済ませて・・・

じゃ~ん!これが今回製作した部品の全てです! v( ̄Д ̄)v イエイ

(;゚д゚)ェ. . . . . . . これだけ? と言う声が聞こえてきそうですが(笑)

「はい、これだけです♪ と自信を持って、笑顔で答えさせていただきます。。。


実は、このポルテのオーナー様とは、今でも(2014年6月)とても仲良く交流させていただいており、時として 「イフの外部営業マン(笑)」 になってポルテを宣伝をして下さっているのですが・・・ 同じような改造を検討されているお友達の方々にとっては、北の大地・帯広に「イフ」があるというのが、かなぁ~りのハードルになっていて悩まれているとお聞きしています。

私達も、切った貼ったの大改造であれば、「帯広良いとこ寄っといで~」 とお誘いするのですが、今回のポルテのような作業は、そこに至る経緯は抜きとして、改造自体の難易度は内容がわかってしまえば難しいものではありません。

しかし、先ほど紹介したような部品は完成してしまうと、床の下に隠れてしまい見ることが出来ないため、上辺だけを見て、安易に同じようなものを再現すると危険ですので、今回このブログで赤裸々に公開させていただいたという次第なんです。

勿論、地元の改造業者様でもイフの施工方法とは異なる独自のやり方があるかと思いますが、これはこれで一つの参考として頂ければ幸いということでご了承くださいませ。



と、いうことで(話しがタイムスリップしていてゴチャゴチャですが・・・)、、、 構造変更検査を受けるべく、帯広陸運支局へいざ出陣!

最初は一般の継続検査と同じ検査ラインを通過しチェックします。

新車だから大丈夫・・・と高を括らずに、真剣に各種テスターに挑む木戸口スタッフ!

最後は身体測定!(提出した改造図面と現車の実寸法の差異をチェック!)

そして・・・全ての検査に合格し、予備検査証(合格通知みたいなもの)がめでたく発行されました~♪
備考欄にはバッチリ「車いす固定装置付(1基)」と記されており、乗車定員も5名になっていますよ!

事前に何度も陸運支局との打ち合わせを重ねており、99%大丈夫と確信はしていましたが、万が一ということもありますので、本当に一安心した瞬間でした。。。
(この晩のビールが美味かったことは言うまでもありません♪)



それでは、皆さまお待ちかねの完成写真を公開しましょう!

※頭の中では「大改造!!劇的ビフォーアフター」の加藤みどりナレーターがご紹介しているようなイメージで、皆さまご覧くださいませ(笑)

「なんということでしょう」

「本来あるはずの助手席が、綺麗さっぱり取り外されているではないでしょうか!」

「その床にひっそりとたたずむアンカーに、あっという間に車いすを固定するためのベルトや車いす用のシートベルトが装着されました」
(加藤みどり終了)

少しひいた感じで見るとこんな感じです。

普通型の少し大きめの車いすを乗せてみました。

次はスポーツタイプの車いすを乗せてみます。

ポルテの高い天井は、身長172cm(更に座高も高い)私が車いすに乗車しても頭には余裕がありますよ♪


普通型(大人用)の車いすではイメージし辛いかと思いますので、ここから先は完成したポルテを納車させていただいた後で撮影した、実際にお客さまが乗車している写真をご覧ください♪


ポルテへの車いすでのアクセスは、折りたたみ式の簡易スロープを使用します。
車両側にスロープを改造で付けてしまう案もありましたが、諸々の利便性を考慮した結果、このシンプルな方法に辿り着きました。

車いす(バギー)の乗車時の向きは、その時々で臨機応変に変えることが出来ます♪
息子さんのとってもいい笑顔をお見せできないのは残念ですが、ニッコニコです♪

学校の通学以外にも、お母さんと二人で好きな時に、好きな場所へドライブ!
とってもステキですよねっ♪


その後、話しの発端でもあり、今回の一連の流れも随時コーディネート役としてサポートして下さった、冨山先生の寄稿にて「訪問看護と介護」に特別記事が掲載された他、お客さまの地元の茨城新聞などにも、このお話しは大きく掲載していただけました。


願いはひとつ・・・

改造の内容や方法、アプローチは違えども、同じような思いをお持ちの方々が、なんらかのキッカケやご縁に導かれ、全国どこでもこのような幸せを手に入れることが出来るよう、北の大地からいつも願わせていただいていますので。。。



(2012.6.18 追記)

1通のメールから始まったこのお話ですが、そのメールの送り主である「冨山(とみやま)先生」が、このほど栃木県小山市にて『とみやまクリニック』を開院しました♪

これまで以上に地域に根付いたプライマリ・ケアを実践しているステキなクリニックですので、お近くの方は是非ともお立ち寄りくださいませ!



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